2022年4月からセミリタイア生活に入り時間が出来ましたので、所蔵の小説を読み直しております。
今回は伊坂幸太郎「フィッシュストーリー」。
2007年発表作品。
自分と同世代の作家では一番お気に入りの伊坂先生。
発表順に作品を再読してます(多作だなぁ)。
本作は表題作を含む4作品の中短編集となっています。
・動物園のエンジン
動物園から消えた2匹のシンリンオオカミと殺人事件に纏わる真相とは。上手い叙述トリックがあります。「オーデュボンの祈り」の主人公・伊藤の話がちらっと。
伊坂ワールドの人気者である泥棒兼探偵の黒澤が人探しの依頼のために潜入した東北の山村で巻き込まれる古き因習。少し横溝正史テイストな作品。
・フィッシュストーリー
表題作である作品。売れないロックバンドの最後のレコーディング曲が時空を超えて引き起こす奇跡。伊坂作品らしい不思議と爽快な読後感。
・ポテチ
ポテチの塩味とコンソメ味に例えられる二人の青年の奇妙な因縁とは。「重力ピエロ」に連なる家族をめぐる物語。ここでも黒澤が活躍します。
サクッと読める伊坂テイスト溢れる作品集になっているかと。
ご一読を。
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では、また。