2022年4月からセミリタイア生活に入り時間が出来ましたので、所蔵の小説を読み直しております。
今回は伊坂幸太郎「ゴールデンスランバー」。
2007年発表作品。
自分と同世代の作家では一番お気に入りの伊坂先生。
発表順に作品を再読してます。
本屋大賞・山本周五郎賞に輝いた本作は発表時点での伊坂幸太郎の集大成と言われる傑作。
舞台はお馴染み仙台。
公選制により首相となった男が仙台での凱旋パレードの最中に爆殺される事態が発生。
仙台で宅配ドライバーとして働く主人公・青柳雅春は暗殺事件の犯人として警察に何故か追われることに。
主人公の友人が告げる「お前、オズワルドにされるぞ」との言葉通り、ケネディ大統領暗殺事件をモチーフに要人暗殺の嫌疑をかけられた男の逃亡劇が物語の骨子となります。
伊坂作品らしく伏線の張り方がホント絶妙で、昔の彼女・サークル仲間との友情やそれまでに関わった人達との絆が逃亡を助ける役目を果たして行く様が過不足無く描かれています。
首相暗殺の犯人が誰であるかと云うことに力点は置かれてなくて、国家に濡れ衣を着せられた男の逃亡劇にフォーカスしていることが物語に緊張感を生み出しています。
果たして青柳は逃げ切ることが出来るのか、ご一読して確認ください。
タイトルの〈ゴールデンスランバー〉はビートルズの同名楽曲から引用されています。
では、また。