2022年4月からセミリタイア生活に入り時間が出来ましたので、蔵書の小説を読み直しております。
今回は伊坂幸太郎「陽気なギャングが地球を回す」。
2003年発表作品。
自分と同年代の伊坂幸太郎先生。
デビュー作からほぼ発表順に読み直しております。
本作は、人気の「陽気なギャング」シリーズの第一弾。
ひょんなことから知り合った4人組が生業として行うようになった銀行強盗にまつわる物語。
主要登場人物は、
・成瀬(人の嘘を見抜く名人)
・響野(演説の達人)
・久遠(天才スリ)
・雪子(正確な体内時計を持つドライバー)
の4名。
それぞれの持つ特殊な能力を駆使して誰も傷付けることなく鮮やかに銀行から金を奪う4人組。
ある銀行から大金を奪っての逃走中に、別の犯罪グループにその金を横取りされることから物語の幕は開きます。
4人組がその奪還に動くなか、様々な問題や謎が浮上して来ると云うのが本作の筋立てになります。
とにかく主要登場人物が魅力的に描かれていて、銀行強盗をする犯罪者ではあるのですが、そこにはそれぞれの美学や哲学や矜持があってどうにも憎めません。
男3+女1と云うメンバー構成から、ルパン三世・次元大介・石川五右衛門+峰不二子のルパン・ファミリーを彷彿させます。
洒脱でユーモア溢れる会話劇は伊坂節全開ですし、終盤に二転三転しつつも張り巡らせた伏線を見事に回収して行く構成はさすがとしか言えません。
シリーズ化されるのも納得の作品となっています。
ご一読を。
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では、また。