2022年4月からセミリタイア生活に入り時間が出来ましたので、蔵書の小説を読み直しております。
今回は伊坂幸太郎「終末のフール」。
2006年発表作品。
お馴染み伊坂幸太郎作品を発表順に再読中。
本作の舞台は8年後に小惑星が衝突して地球が滅亡することが予告されてから5年が経過した頃の世界。
仙台市郊外の住宅地「ヒルズタウン」のマンションに住む人々の8つの物語が連作短編の形で紡がれます。
滅亡予告直後はかなり悲惨な混乱があり死者も多数出たものの、少し落ち着きを取り戻している状況。
余命3年という事実を目前にして、その黄昏の世界をいかに生きるかが問われるような物語となっています。
でもそこは伊坂作品ですので説教臭いようなことは全くなく、そこに生きる人々の姿をユーモアを交えて淡々と描いて行きます。
8つの物語が少しずつリンクして行く構成は見事。
死を前にして初めて今日を生きる意味が分かるのか・・・
余命宣告されたなら、生き方を変えるのか・・・
変えるような生き方をこれまでして来ているのか・・・
なかなか秀作の連作短編集です。
ご一読して生き方を考えてみるのも良いかと(余計なお世話すねw)。
では、また。