2022年4月からセミリタイア生活に入り時間が出来ましたので、蔵書の小説を読み直しております。
今回は万城目学「バベル九朔」。
2016年発表作品。
主に関西を舞台に奇想天外な物語を紡ぎ出す万城目学先生。
本作の舞台は東京と思われる場所にある五階建ての雑居ビル「バベル九朔」。
九朔(きゅうさく)は主人公の姓。
主人公の青年は、母親が祖父から引き継いだ雑居ビル「バベル九朔」に無理矢理管理人として住み込んで小説家デビューを目指しています。
小説を書く傍ら管理人業務をこなす日々の中、黒ずくめの「カラス女」に出会うことによって「バベル九朔」に秘められていた異世界に紛れ込むことになって・・・と云うのが筋書きになります。
ほぼバベル九朔内で物語は進行しますが、実際に著者万城目学が雑居ビルの管理人をしていたことがありその経験が反映されていると思料されます。
作家デビューを目指す主人公はまんま著者の過去の姿が投影されているかと。
雑居ビルでテナントの住人達と遣り取りしながら生活する姿は孤独なセミリタイア民の自分からすると羨ましい感じですw
「夢を追うこと」と「人生の無駄」との関係を描いた本作、ご一読ください。
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では、また。