2022年4月からセミリタイア生活に入り時間が出来ましたので、蔵書の小説を読み直しております。
今回は万城目学「プリンセス・トヨトミ」。
2009年発表作品。
主に関西地方を舞台に奇妙奇天烈な物語を生み出す万城目学。
本作の舞台は氏が幼少期を過ごした大阪。
東京から会計検査院の凄腕調査官が大阪に出張することから物語の幕は開きます。
会計検査の対象の一つが「社団法人OJO」。
この謎の組織に会計検査のメスを入れることをトリガーとして大阪中を巻き込む一大騒動が起きると云うのが物語の筋立てになります。
四百年の長きにわたり大阪が護り続けているものとは。
タイトルがネタバレそのものなんですけど、物語のヒロインとなる女子中学生の姓名が「橋場茶子」で幼馴染の男の子の姓が「真田」、東京から来る凄腕調査官の姓は「松平」と来れば日本史に疎い方でもははぁと思うのではw
その他登場人物の姓が「島」「蜂須賀」「浅野」「長宗我部」などなどであり、その人物の作中での役割を知ると日本史好きな人はニヤリとしてしまいますよ。
物語の舞台となるのは大阪城周辺で、特に「空堀商店街」と言う実在する商店街が重要となっており大阪の日常生活の息吹を感じる事が出来ます。
万城目学は荒唐無稽な物語の土台に史実や実在の建造物を巧みに取り込むことによってその物語に信ぴょう性を与えることがほんとに上手い作家さんです。
橋場茶子に危機が迫る時、大阪は全停止に⁈
その全貌はご一読してご確認ください。
大阪は数回しか行ったことがないのですが、また訪れてみたくなりました。
ちなみに、万城目学著「鹿男あをによし」に登場する大阪女学館の男性教諭・南場さんが本作にもチラリと姿を見せます。
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では、また。