2022年4月からセミリタイア生活に入り時間が出来ましたので、蔵書の小説を読み直しております。
今回は池上永一「レキオス」。
2000年発表作品。
沖縄の伝承に基づく豊かな物語に特色がある方かと。
本作「レキオス」の舞台は西暦2000年の沖縄本島。
米軍から返還された荒地に巨大な魔法陣が出現することにより物語の幕は開けます。
主人公となるのは白人と日本人のハーフの母と黒人米国軍人の父との間に生まれた女子高生・デニス。
その真の意味・存在を巡りデニスを中心にして米軍・天才民族学者・CIA・中国国家安全部そして謎の組織「GAOTU」が入り乱れて争奪戦を展開すると云うのが話の筋立てとなります。
沖縄の伝承・歴史・文化、日本神話、ソロモン王伝説を下地としつつ2000年当時の沖縄の情勢(基地問題も含む)を盛り込んで、日本語・英語・沖縄語(ウチナーグチ)を駆使して紡ぎ出される時空を超えた壮大な絵巻物のような物語に圧倒されます。
登場するキャラは全てぶっ飛んでおり、その会話もハイブロー。
著者の軍事・兵器・歴史・物理学・宗教に関する知識・博覧強記ぶりには舌を巻きます。
「レキオス」の正体、そして世界の行末を一読してご確認ください。
後年書かれる「シャングリ・ラ」の原型とも言える作品となっています。
関連過去記事↓
では、また。