2022年4月からセミリタイア生活に入り時間が出来ましたので、蔵書の小説を読み直しております。
1993年発表作品。
日本推理作家協会賞受賞作。
奇才・中島らもの最高傑作。
アフリカの「呪術」をモチーフにしたエンタメ作品なのですが、民俗学に基づく科学的なアプローチとスーパー・ナチュナルな要素を巧くブレンドした一大スペクタクル。
物語の主人公はアフリカの「呪術医」の研究で名を馳せる民俗学の大学教授。
8年前のアフリカに於けるフィールドワーク中に不慮の事故により当時7歳の長女を失っています。
テレビ番組の企画で再び訪れたアフリカで、「ある理由」により大呪術師によって捕らえられていた長女を発見・奪還し日本に帰国することに成功。
その長女を取り戻すために大呪術師が日本に乗り込んで来ると云うのが筋立てになります。
民俗学教授・宗教家・大呪術師・アフリカの人々・密教の阿闍梨・超能力青年・奇術師・サイコセラピスト・テレビ局の曲者などなどが入り乱れて引き起こされる惨劇と対決と奇跡。
物語の序盤では新興宗教の欺瞞を暴く話(オウム事件前から新興宗教の危うさを危惧していたらもさんの慧眼)に重点が置かれ、中盤は一転アフリカの文化についての考察・敬意が中心になり、終盤では教授とその仲間たちVS大呪術師の激闘が描かれており、全く飽きることなく大部の物語を読み進められます。
いたるところにらもさんの知識(酒・ドラック、格闘技、精神医学、テレビ番組などに係るもの)が披露されており、氏にとってある意味集大成的な作品になっているかと。
漫画「呪術廻戦」がお好きな方はぜひご一読くださいw
では、また。
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