セミリタイア始めます。アラフィフ独身男のブログ。

2022年3月末に国家公務員を早期退職してセミリタイア生活に入った独身おっさんの日記。

セミリタおっさんの再読小説⑮伊坂幸太郎「重力ピエロ」

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2022年4月からセミリタイア生活に入り時間が出来ましたので、蔵書の小説を読み直しております。

今回は伊坂幸太郎「重力ピエロ」。

2003年発表作品。

自分と同じ1970年代生まれの著者。本作で当時70年代生まれとしては初の直木賞候補になりました。

物語の舞台は仙台(伊坂作品の多くは同所を舞台にしてますね)。

主人公は泉水(いずみ)と春(はる)と云う2人の兄弟。物語開始時点で2人の母親は亡くなっており、父親も癌を患っている状態。

この家族には辛い過去があります。

物語の序盤で明かされるのですが、春は母親が未成年者に強姦されたことにより生を受けた子であると云う事実。

春はそのことを知り、深く深く苦悩することに。

そして、成長した2人の周辺で連続放火事件が起きることから物語は動き出します。

その火事を予見する謎のグラフィティアートが街に出現していることを春から聞いた泉水はその謎解きに乗り出します。

泉水は遺伝子情報を扱う会社に勤めているところ、グラフィティアートと遺伝子の奇妙なリンクに気付くことに。

連続放火事件・グラフィティアート・遺伝子が関連する謎解きの果てに、泉水はある真実に直面することになると云う筋立てになります。

設定がハードなのですが、伊坂らしい機知に富んだ会話劇やユーモアある語り口によって重くならずに読み進められます。

復讐劇ではあるのですが、偉大なる家族愛の物語となっています。

「あぁ、こんな物語が作れるのか」と感心する初期の伊坂作品の傑作かと。

ラッシュライフ」に登場する泥棒の黒澤が本作では探偵(泥棒の副業かw)として重要な役目を果たしてます。

また、「オーデュボンの祈り」の主人公・伊藤もちょっとだけ登場します。

伊坂作品では別の作品の登場人物が思わぬ形で出てくるので楽しみの一つになっています。

関連過去記事↓

では、また。

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