2022年4月からセミリタイア生活に入り時間が出来ましたので、蔵書の小説を読み直しております。
2007年発表作品。
主に関西地方を舞台に奇妙奇天烈な物語を生み出す万城目学。
本作の舞台は古都・奈良。
大学の研究室を追われた主人公「おれ」は、失意の内に教授の勧めによって奈良の女子校に赴任することに。
直ぐにでも研究室に戻りたい「おれ」に、奈良公園の鹿が話かけてきて、この国を救うための謎の命令を下すことから物語の幕は開きます。
万城目学らしい「何なんだ、この話は」と云う展開ですねw
謎の命令を上手く遂行出来ない「おれ」の顔は他人からは分からないものの、どんどん「鹿化」して行くことに。
時期は神奈月、鹿島神宮・春日大社・卑弥呼にまつわる伝説が絡み合う謎の命令を「おれ」は成し遂げ、この国を救い、そして顔を元に戻すことが出来るのかと云う筋書きになります。
万城目学の小説はホント奇抜過ぎて要約するのが難しいですw
それでいて話は一貫性を保っていてユーモアに溢れていますからね。
本作では主人公が赴任する女子校(及びその姉妹校)が重要な舞台となっており、主人公と反目もしながらも謎解きに協力するヒロインの存在が大きく、一種の学園青春物と言うことも出来ます。
物語の重要な要素になる剣道部の姉妹校対抗戦はなかなか手に汗握りますし。
読後感は非常に爽やかで、奈良を久しぶりに訪れてみたくなりました。
ご一読を。
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では、また。