セミリタイア始めます。アラフィフ独身男のブログ。

2022年3月末に国家公務員を早期退職してセミリタイア生活に入った独身おっさんの日記。

セミリタおっさんの再読小説㊲三崎亜記「失われた町」

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2022年4月からセミリタイア生活に入り時間が出来ましたので、蔵書の小説を読み直しております。

今回は三崎亜記「失われた町」。

2006年発表作品。

三崎亜記は自分と同世代の作家さん。

風刺的なSF・ファンタジー小説を得意としている方かと。

本作の舞台は日本を彷彿とさせるものの日本とは異なる世界。

そこは三十年ごとに一つの町の住人全てが忽然と姿を消してしまう「消滅」現象が起きる世界。

物語はその「消滅」を防ぐために存在する組織「管理局」を中心に、「消滅」に関わる人々の苦悩・苦闘を紡ぎ出して行きます。

果たして人々は長年に渡り続く「消滅」現象を食い止めることが出来るのかと云うのが話の筋立てとなります。

それは人々が「消滅」によりもたらされる「喪失」にいかに向き合うかの物語。

作品が発表されたのは2006年で東日本大震災より前になります。

震災と原発事故で謂わば町の消滅を目の当たりにした(自分は被災者ではありませんが)後に再読すると、また違った感慨を覚えました。

作中「消滅」に関して科学的研究が進められており独特の用語も使用されるなど、ディテールの緻密さが荒唐無稽な物語に真実味を与えています。

また、舞台となる国が大きな戦争状態にあったことが示唆されていたり、特異な医療技術があったり、西域と呼ばれる外国の文化の詳細な描写があったりとけっこう骨太なSF小説ともなっています。

不条理な事象に立ち向かう人々の絶望と希望をご一読してご確認ください。

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では、また。

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