2022年4月からセミリタイア生活に入り時間が出来ましたので、蔵書の小説を読み直しております。
今回は貴志祐介「天使の囀り」。
1998年発表作品。
囀り(さえずり)って難しい漢字だなw
ホラー、ミステリー、SFを得意とする大御所・貴志祐介先生。
本作はバイオ・ミステリーホラーと呼べる作品かと。
病的な死恐怖症(タナトフォビア)である作家・高梨は新聞社主催の南米アマゾン調査隊に参加し、現地の「呪われた沢」で他の隊員と共にある行動を取ります。
帰国後高梨は人格に異様な変容を見せ(食欲と性欲の肥大化)、頭の中に「天使の囀り」が響くようになり、あれほど「死」を恐れていたにもかかわらず異常な手段で自殺を遂げてしまいます。
アマゾン調査隊に参加したメンバーも立て続けに異常な自殺を遂げ、行方不明になるものも。
時を同じくしてアマゾン調査隊に何ら関係ないと思われる人々が異常な自殺をする事態が連続して出来・・・
物語は、高梨の主治医で恋人でもあった精神科医・北島早苗が協力者の助けを得ながら医学・民俗学・生物学の観点からこの連続異常自殺の謎に迫って行くと云う筋立てになっています。
流石は貴志先生ですのでアカデミックな内容を上手く物語の中に溶け込ませて読者に知識を付けつつ謎の解明に導いてくれます。
最後の方はちょっとやり過ぎ感もありますが一気読み必至の作品となっております。
果たして「天使の囀り」の正体とは。
それが人類にもたらすのは悪夢か福音か。
前人未到の恐怖をご一読してご確認ください。
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では、また。