2022年4月からセミリタイア生活に入り時間が出来ましたので、蔵書の小説を読み直しております。
2012年発表作品。
山本周五郎賞受賞作。
小野不由美先生は1960年生まれの女流作家。
ホラーを主戦場にミステリーやファンタジーなども手掛け、〈十二国記〉シリーズや長編「屍鬼」でご存知の方も多いかと。
夫は同じく作家の綾辻行人先生ですね。
本作は山本周五郎賞選考委員をして「手元に置いておきたくはない」と評されたドキュメンタリータッチで描かれる恐怖の物語。
ジワジワ来る嫌な感じがヤバいす。。
主人公である「私」はホラー小説を手掛ける小説家であるところ、読者である女性から奇妙な事が起きているとの投書を受けます。
首都圏郊外のマンションに暮らすその女性は引っ越した部屋で原因不明の「畳を擦るような音」に悩まされていると。
私と女性がその原因を探って行くと、同じマンションの別の部屋でも同じような現象が起きていることが判明。
更に前居住者の自殺や隣接する団地の住人にも不可解なことが起きている事実を突きとめることに。
二人がそのマンション及び隣接する団地の「敷地」の過去を遡って調査して行くと、そこではかつて放火・自殺・殺人と言った事象が散見されて・・・
その元凶を探し求めると北九州のある一家に辿り着くと云うのが物語の筋立てになります。
主人公である「私」が誰であるかは物語中で明言されていませんが、小野不由美先生本人であることは容易に推察できます。
二人の調査に協力する形で実在する実話怪談蒐集家の平山夢明先生が登場したりして、どこまでがフィクションなのか分からなくなります。
ブログ主自身これまで引っ越しが多く、原因不明の低周波音で3回も短期間での引っ越しを余儀なくされた身からすると恐怖はひとしお。。
ブログ記事にしてもいけないのかも・・・
非業な死によって生じる「穢れ」が伝播して行く恐怖をご一読して味わってください。
いや、読まない方が良いかも・・・
本作を原作とする映画「残穢ー住んではいけない部屋ー」も再見しました。
竹内結子さんが亡くなっているのが悲しい。。
では、また。