2022年4月からセミリタイア生活に入り時間が出来ましたので、蔵書の小説を読み直しております。
今回は米澤穂信「満願」。
2014年発表作品。
山本周五郎賞受賞作。
米澤穂信は1978年生まれで自分とは同世代の作家さん。
デビュー作の「氷菓」に始まる「古典部」シリーズでご存知の方も多いかと。
本作「満願」は表題作を含む合計六篇の短編集。
簡単に記しますと、
・夜警
殉職した警察官の真実
・死人宿
恋人を追って訪れた温泉宿で遭遇する自殺の真相
・柘榴
ある姉妹とその父親をめぐる愛憎
・万灯
商社マンが罪の果てに直面する最悪の状況
・関守
峠のドライブインに隠された謎
・満願
殺人を犯し静かに刑に服する女の思惑
と云う内容の六つの独立した短編になるのですが、どれもがあっと驚く結末が用意されており、著者の力量をまざまざと見せつけられる珠玉の短編集となっています。
全編読み終わった時はそのクオリティの高さに唸ってしまいました。マジで。
ミステリー仕立ての物語のラストにどろりとしたものが吐き出される感じは米澤穂信の真骨頂かも。
心が一瞬ざらっとします。
短編集なので詳しく話してもしょうがありませんw
どうぞご一読を。
では、また。