2022年4月からセミリタイア生活に入り、時間が出来ましたので蔵書の漫画を読み直してます。
恐怖漫画の巨匠・楳図かずお先生。
本作はドラマ化や映画化もされた氏の代表作にして最高傑作。
物語は東京にある普通の小学校が謎の爆発によって校舎のある敷地ごと砂だらけの土地に吹き飛ばされてしまうことで幕を開けます。
そこは人類が滅亡した近未来の荒廃した世界であることが判明。
その異常事態を受け入れられない先生達は死に絶えてしまい、800名を超える子供達だけのサバイバルが展開されると云うのが筋書きになります。
正義感と勇気を持つ小6の高松翔を主人公に食料・水不足、怪虫との死闘、ペスト禍、異形の未来人類の襲撃、子供達同士の対立など次々と起こる危機を子供達が乗り越えて行く姿に息が詰まります。
高松翔が虫垂炎になってしまい有り合わせの道具による手術を受けたり、厳しい飢餓により一部の子供が人肉食に手を出してしまうなど少年誌連載にしてはなかなかハードな描写も。
ある女子生徒を媒介にして高松翔は自身の母親と時空を超えた交信が可能となり、幾つかの致命的なピンチを母親の助けで乗り切ることが。
未来にいる息子のために元の世界において狂気と思われてしまう行動を取る母親の姿には心を動かされます。
果たして子供達は元の世界に戻ることが出来るのか、そして子供達が未来に飛ばされてしまった本当の意味とは・・・ご一読してご確認ください。
再読して感じるのは意外にも構成がよく出来ていることですね。
序盤に張った伏線の回収も見事ですし。
1970年代前半に連載された作品ですが、当時から楳図先生が環境問題に心を寄せていたことが分かります。
本作において近未来に起こる人類滅亡についてその詳細は描かれていませんが、後年の作品「14歳(フォーティーン)」はその過程を描く作品となっています。
では、また。
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