2022年4月からセミリタイア生活に入り時間が出来ましたので、蔵書の小説を読み直しております。
2006年発表作品。
大人気のトンデモ神経科医・伊良部一郎シリーズ。
17年ぶりに同シリーズの最新作「コメンテーター」がちょうど本年5月に刊行されますが、本作は同シリーズの第三弾になります。
メンタルに問題を抱え、たまたま伊良部の下を訪れてしまった患者達がいつものように自分本位な伊良部の診察・言動に振り回される連作短編集。
本作に収録されているのは、
・死の恐怖に囚われた老齢の大手新聞社社長
・平仮名が書けなくなった若きIT長者
・若さに固執するカリスマ女優
・離島の町長選挙に巻き込まれた伊良部一郎
の各話。
シリーズ第三弾の本作は前々作・前作とは趣向を少し変えて、患者が明らかに著名人をモデルにしています。
誰をモデルにしているかは読めばすぐに判明するところ(上記紹介だけでもなんとなく予想つくかもですw)、その人達が伊良部に振り回される姿が容易に想像出来て楽しく読めます。
下手したらモデルとなった本人から抗議とか有り得るのでしょうが、そこは奥田先生が作中で見事にその人の美点を引き出しており事なきを得たのかと。
表題作「町長選挙」では、離島に赴任した伊良部が島の露骨な金権選挙に巻き込まれタジタジとなる場面も。
本作ではお馴染み露出狂の美人看護師マユミちゃんのパンクバンド活動も描かれており新たな展開も見受けられますw
読めば必ず元気をもらえる本作、どうぞご一読を。
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では、また。