2022年4月からセミリタイア生活に入り時間が出来ましたので、蔵書の小説を読み直しております。
1992年発表作品。
恩田陸は1964年生まれで自分より一世代上の女性作家さん。
「夜のピクニック」で本屋大賞、「蜜蜂と遠雷」で直木賞を受賞したベストセラー作家ですね。30年くらい作品を楽しませてもらっています。
本作「六番目の小夜子」は氏のデビュー作に当たります。
物語の舞台は地方にある進学校。その学校では十数年に渡り奇妙なゲーム(行事)が生徒間で受け継がれています。
それは三年に一度「サヨコ」と呼ばれる生徒があるルールによって選ばれ、その「サヨコ」は自分が「サヨコ」であることを他の生徒に知られることなく定められたいくつかの行為を遂行しなければならないと云うもの。
その年は「六番目のサヨコ」が誕生する年であるところ、「津村沙代子」と言う生徒が転校して来ることから物語の幕は開きます。
この謎めいた美少女転校生を中心に「サヨコ」伝説をめぐる物語が展開して行くと云うのが本作の筋立てとなっています。
恩田陸らしいホラーテイストのミステリー作なんですけど、主な登場人物は高校生達であり、彼・彼女らの青春学園物語と云った感じなので、おっさんになった自分が読むと尻がムズムズする気恥ずかしさを感じてしまいましたww
恩田陸は学校を舞台とする作品が多いのですが、同年代の人々が限定された時間・空間に(ある意味)閉じ込めらることに対して強い想いを持っているみたいで、物語の主人公は「学校」そのものであるように思います。
失われた「青春の輝き」を少しでも感じたい方はご一読をww
では、また。