2022年4月からセミリタイア生活に入り、時間が出来ましたので蔵書の漫画を読み直してます。
「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズでもはや漫画家を超えてアーティストの領域に入った荒木飛呂彦先生の初期作品。
本作は「ジョジョ」の連載開始直前に書かれたものになります。
物語の舞台は1980年代の東北。
旧日本軍細菌部隊の流れを汲む秘密機関「ドレス」の開発した生物兵器「バオー」を寄生させられた少年・橋沢育朗が、同じく捕らえられていた超能力少女・スミレと共に「ドレス」を脱出。本作はその逃亡劇を描いています。
寄生生物である「バオー」は、敵意を持つものの「臭い」を嗅ぎ分け、宿主に様々な戦闘能力(武装現象と呼ばれます)を与えて敵を抹殺して行きます。
橋沢育朗は「バオー」に乗っ取られることもなく、その能力を自ら制御出来るように。
逃亡劇は一応の成功を見せ物語は終幕を迎えますが、なにせ全9話で終了しますので、「ドレス」の詳細な背後関係なんかは描かれることはなく尻切れ感は否めません(続編が窺える終わり方となっています)。
連載していた当時の週刊少年ジャンプは読者アンケート至上主義で、人気のない作品は打ち切られるのが常でした。
武装現象時の身体の変化などグロテスクな描写が多々ある本作は、小学生であった自分の周りではあまり人気がなかったような。
黄金期の週ジャンのラインナップ(「北斗の拳」「キャプテン翼」「キン肉マン」「ブラック・エンジェルズ」「ウイングマン」などなど)と渡り合うには厳しかったかとww
ただ、後の大ヒット作「ジョジョ」シリーズに見られる描写(キャラクターのポーズや擬音の表現)の原点が窺える貴重な作品であることは間違いないと思います。
「ジョジョ」好きな方はご一読を。
では、また。