セミリタイア始めます。アラフィフ独身男のブログ。

2022年3月末に国家公務員を早期退職してセミリタイア生活に入った独身おっさんの日記。

セミリタおっさんの再読小説⑨池上永一「シャングリ・ラ」

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2022年4月からセミリタイア生活に入り時間が出来ましたので、蔵書の小説を読み直しております。

今回は池上永一シャングリ・ラ」。

2005年発表作品。

池上永一は1970年生まれで自分と同世代の作家さん。

沖縄・石垣島出身で沖縄の風土に根ざしたぶっ飛んだ物語を生み出してます。

琉球王朝を題材にした大傑作「テンペスト」でご存知の方も多いかと。

本作「シャングリ・ラ」は沖縄ではなく、近未来の東京が舞台となっています。

加速する地球温暖化対策のため都市を超高層建造物「アトラス」へ移し、地上を森林化する東京。これによりアトラスへ移住できない難民が地上に溢れる事態に。その地上は絶えずゲリラ豪雨の脅威にさらされ、遺伝子操作によって作られた植物の侵食により住む場所さえ脅かされる地獄のような世界。

地上の反政府ゲリラのリーダーである女子高校生を主人公に反政府ゲリラ・政府・軍・アトラス建設を推し進める公社が闘争を繰り広げる中、真のアトラス建設の目的が明らかになると云う筋立てとなっています。

その世界は炭素を吸収削減することで利益を生み出す炭素経済に完全に移行しており、炭素の排出量は国連の人工衛星により厳密に監視され炭素指数で各都市が即時評価される状態。

この炭素指数に投資するカーボニストと呼ばれる投資家が暗躍し、物語に大きな影響を与えて行きます。

とにかく登場人物が多種多様で、ほぼ全員が針を振り切ったような言動を取ります。過剰が過ぎるほどにww

地球温暖化は止まらず、二酸化炭素排出量取引についても話題に上ることが多い昨今ですが、2005年の時点で描かれた本作は単純なディストピアものではなく、温暖化の果ての来るべき未来を予言する壮大な物語となっております。

大作ですがご一読を。

では、また。


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