セミリタイア始めます。アラフィフ独身男のブログ。

2022年3月末に国家公務員を早期退職してセミリタイア生活に入った独身おっさんの日記。

セミリタおっさんの再読小説⑧早見和真「イノセント・デイズ」

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2022年4月からセミリタイア生活に入り時間が出来ましたので、蔵書の小説を読み直しております。

今回は早見和真「イノセント・デイズ」。

2014年発表作品。

日本推理作家協会賞受賞作。

早見和真は1977年生まれで自分とは同世代の作家さん。

本作は、元恋人の家に放火してその妻及び1歳の双子を殺めた罪により死刑宣告された女性の生涯を描いたものとなっています。

彼女に関わった人々の追想により浮かび上がる事実は、死刑判決を下した裁判で認定されたものとは明らかに異なっており、彼女に対して形成されてしまった世論は虚像であることが判明して行きます。

果たして彼女は本当に凶行に及んだのか、死刑判決をあっさりと受け入れているのは何故なのかと言ったミステリー要素を含みながら、物語は死刑執行の時が迫る緊張感を持って突き進みます。

タイトルの「イノセント・デイズ」の「イノセント」には「無垢な」や「無邪気な」の他に「無実の」と云う意味が・・・

物語の結末を読み終えた時はちょっと動けなる感覚になります。。

女性の生涯を描いた作品は古くはモーパッサンの「女の一生」をはじめ数多ありますが(山田宗樹の「嫌われ松子の一生」とか好きです)、その中においても本作はかなり哀しい物語かと。

読み進める内に作中の女性をなんとか救ってあげたいと云う思いが生じますが(作中でも彼女に関わった人々がそれぞれの想いから救済に動きます)、その優しさを自身の信念から拒絶すると云う哀しい女性の強さを描き切った著者渾身の物語となっています。

心が弱ってない時にご一読を。

では、また。


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