2022年4月からセミリタイア生活に入り、時間が出来ましたので蔵書の漫画を読み直してます。
今回は岩明均「七夕の国」全4巻。
東北地方の「丸神の里」と呼ばれる集落では、その地に住む者によって千年余り前から現代まで、「丸神山」を中心とする地形及び「丸神山」の山頂において夏至を挟んだ七日間に渡って執り行われる儀式(七夕祭り)が守られ続けて来ました。
その土地の一族には、共通した悪夢を見る者(作中「窓を開いたもの」と呼ばれる)と、ある特殊な能力(武力として使用が出来、使う度に使用者は異形のものへと少しずつ姿を変えてしまう!)を持つ者(作中「手がとどくもの」と呼ばれる)が存在します。
一族の現代の当主がその特殊な能力を外部に持ち出したことから、社会に災厄がもたらされることに。
時を同じくして、かつてその土地を逃げ出した者の末裔である主人公らが、その土地にまつわる謎を解明しようとして「丸神の里」に関わって行くことによって物語は展開して行きます。
何故「丸神の里」の一族は土地と祭りを守り続けて来たのか、何故一族には特殊な能力があるのか、何故現代の一族の当主は危険な行動に及んだのか、何故一族は遥か昔に正確に夏至の時を知ることができたのか、何故東北地方には存在しなかった「カササギ」が一族の旗印になっているのか等々の謎が主人公達によって歴史学的・地形学的見地から紐解かれて行く筋立てとなっています。
物語の序盤で謎の正体は「異星人との遭遇」にあることは示唆されますが、その謎が解明される過程と現代の一族の当主の行動がもたらす緊迫感を十分に楽しむことが出来る佳作です。
自分は映画「未知との遭遇」を観て以来、人類と宇宙人が関わる物語(この手の話になると書きたいことが多すぎるので割愛しますw)が大好きなのですが(作中にも同作に言及する一コマがあります)、本作も堪能しました。
アラフィフとなった今でも、いつの日か違う星の人が迎えに来てくれることを半ば本気で待ち望んでいますww
では、また。
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