セミリタイア始めます。アラフィフ独身男のブログ。

2022年3月末に国家公務員を早期退職してセミリタイア生活に入った独身おっさんの日記。

セミリタおっさんの再読小説②中島らも「今夜、すべてのバーで」

*当ブログではアフィリエイト広告を利用しています。

2022年4月からセミリタイア生活に入り、時間が出来ましたので蔵書の小説を読み直してます。

今回は中島らも「今夜、すべてのバーで」。

1991年発表作品。

小説家・エッセイスト・脚本家・バンドマン・劇団主催と多才であった中島らも氏の吉川英治文学新人賞受賞作。

まずはとにかくタイトルがカッコいいです。

読んだ小説の中で一番好きなタイトルかも。

もちろん中島らもの作品なので、タイトルから想像される小洒落た恋愛小説などでは到底なく、らもさんの実体験に基づくアル中(アルコール依存症でなくアル中と表記)からの回復記録(小説ではあるがルポ・ルタージュに近い)です。

物語は主人公である物書きを生業とする小島(中島らもが色濃く投影されている人物)が病院に入院するところから始まります。

医者に黄疸が出てるため顔が真っ黄色じゃないかと指摘されると「黄色人種ですから」と軽口を叩いてしまうところなど「らも節」全開ですw

肝硬変一歩手前で入院した小島ですが退薬症状(いわゆる禁断症状)に苦しめらるようになります。その際も医者に対して具体的に薬剤名を出して要求するなどしてその知識に医者が驚いたりします。小島はアル中でありながら誰よりもアル中に関して勉強をしてます(アル中から抜け出すためではなく、まだ飲んでも大丈夫だと確認するためであるところがらもさんらしい)。

物語は同じ病院に入院している他の患者達との関わりを交えながらユーモラスに、時にシリアスに展開されていきます。

アルコールにより生まれる悲劇についても語られます。また、作中では小島を通してらもさんのアルコールや禁止薬物に対する見解や知識が披露されてます。

小島は自身の個人事務所の唯一の社員である女性との関わりが大きな原動力となり、退院に漕ぎ着け物語は終幕となります(最終盤でタイトルが効果的に使用されます。詳細はお読みください)。

実生活のらもさんはアルコールを完全に断つことは出来ず、酔って階段から落ちて脳挫傷のため52歳で亡くなってしまいました。

その間に大麻の所持で逮捕されたりもしてます。

らもさんが何故アルコールや違法ドラッグにも手を出していたかは本作中でも触れられていますが、「シラフ」で世間と対峙することのしんどさがあったからだと思います。躁鬱病も患っていたらもさんは繊細で弱い人間だったのでしょう。

18年前に氏の死亡のニュースを知った時には、らもさんらしい死に方だなぁと思った記憶があります。

世間と対峙することが面倒になって早期退職しセミリタイア生活に入って昼から酒飲んでる現状の自分はらもさんにどこか重なりますw

作中にもありますが、飲酒が何かを紛らわせるための「手段」になるとヤバいので、お酒の味や食事を楽しむための「目的」のうちに留めるようにしたいと思います。。

では、また。

にほんブログ村 ライフスタイルブログ セミリタイア生活へ
にほんブログ村

にほんブログ村 オヤジ日記ブログ アラフィフオヤジへ
にほんブログ村