2022年4月からセミリタイア生活に入り、時間が出来ましたので蔵書の漫画を読み直してます。
この一作で作者・三浦健太郎を巨匠に押し上げたダーク・ファンタジーの傑作。
残念なことに2021年5月に三浦健太郎氏は大動脈解離により54歳で急逝されてしまいました。
職場で後輩がそのネットニュースを教えてくれた時は、仕事中にもかかわらず思わず声が出てしまいました。「ベルセルク」はどうなるんだよぉと。。
物語はヨーロッパ中世的世界を舞台に剣と魔法が活躍するダーク・ファンタジー漫画で、主人公であるガッツが人の身でありながら人非る異形の魔物たちと壮絶な闘いを繰り広げて行きます。
ガッツと言う名のとおり、絶望的な状況でも挫けることなく闘い続ける姿には胸打たれるところがあります。「ドラゴンころし」と呼ばれる鉄塊とも言える巨刀を振り回し闘う様の描写はもはやアートと言える作画。
個人的には、ガッツが後に宿敵となるグリフィスと出会い傭兵団の一員として共に歩んで行く「黄金時代」編がお気に入りです。
まだ異形の魔物が登場せず、中世的国家の中でグリフィス率いる傭兵団「鷹の団」が、ガッツの活躍もあり、その地位を高めて行く様はそれだけで十分に面白い話となっています。
その後グリフィスを引き金とする「蝕」と呼ばれる「降魔の儀」により鷹の団はほぼ全滅してしまい、ガッツは異形の魔物との闘いに身を投じて行くことになります(詳細はぜひお読み下さいw)。
物語序盤にある「蝕」を共に生き延びた本作のヒロイン・女剣士キャスカとの長き放浪の旅が描かれて行きます。キャスカは「蝕」のショックにより精神的幼児後退を起こしてしまいますが、ガッツ(及び旅の途中で出会う仲間達)の苦闘の末、やっと40巻の終盤に以前の自分を取り戻します(落涙)。
キャスカが復活し、さぁこれからと云う展開になった41巻をもって作者の急逝により物語は途切れてしまいました。
三浦健太郎氏の急逝は誠に残念で、ガッツ達を安住の地に導いてほしかった思いはあります。
ただ十分に楽しませていただきました。ご冥福をお祈りします。
では、また。